青森山スキー遠征 [八甲田大岳&小岳]

山スキーをはじめて、2年と少し。

スキー経験は小学生までだったため、プルークしかできなかったところから、

ゲレンデのスクールを受けたり、山登りの先輩方との山行を重ね、

やっと急斜面でも滑れるようになってきましたところに、

興味深い知らせが舞い込んだのは2月の中旬頃。

「3月後半に、どなたか1名、八甲田や岩木山に一緒に行きませんか?」


もともと八甲田は憧れの場所。

山スキーにちょっと自信が出てきたこともあり、速攻申し込み、

有給申請をして2018年3月21日〜3月25日まで青森に行ってきました。


今回は、その青森山スキー遠征 初日の記録です。


20日の夜10:00に夜行バス「パンダ号」で、青森に向けて出発。

4列シートではあるものの、女性専用のバスにしたため至って快適。

ただ、想定よりもバスの中が暑い…

東京よりも寒いだろうと、着込んできていたたたため、気持ち悪くなるほど。

汗をかきながらも、日頃の仕事疲れのおかげで、1回目の休憩以降は起きることなく、

予定よりも早い8:00に青森駅に到着しました。


到着すると、今回お世話になるリーダー(青森に単身赴任中)と、すでに前乗りしていたサブリーダーと、駅前のオリックスレンタカーで合流し、朝ごはんを食べる間もなく八甲田に向けて出発しました。


青森駅から八甲田までは、約1時間ほど。途中でコンビニに立ち寄り、朝ごはんと行動食を買ったため、実際には1時間30分ほどかかりました。


今回のお目当ては、八甲田大岳。

この日、東京は雪予報。全国的に天気が悪い中、青森は良いとこのとで、期待は充分です。


地獄沼付近に車を停めて、いざ出発。最初は樹林帯のゆるい斜面を登ります。

青森の寒さにビビっていましたが、正直暑い。

早々にハードシェルを脱ぎ、フリースも脱ぎ、2枚になって登ります。


緩斜面でありながらも、大岳ルートは、ルート案内が細かく設置してあり、樹林帯では迷うことはなさそう。

先行パーティーのトレースに従いながら、ゆる〜く高度を上げていきました。


樹林帯を抜けると、目の前に大岳登場!

3月後半ともなると、さすがにモンスターは姿を消している。

期待もしていなかったが、八甲田=モンスター。ちょっと残念。

それでも、真っ白な世界に、木のグレーやゴツゴツした岩肌の茶色が見えて、幻想的な感じ。

期待感が増してきます。


右手に硫黄岳がみえてきたあたりで、休憩タイム。

このあたりにくると風が強まり、流石に2枚では寒い。

ハードシェルとオーバー手袋、バラクラバを装着しました。


そして、大岳に近づいて気がついたことが…

あまり雪がない。。


遠目に見ると、真っ白でしたが、山頂直下はよく見ると雪を纏ったハイマツがびっしり。

おまけに、この日は東風の影響で、だだっ広いオープンバーンが凍ってカリッカリ。

なんとも登りにくそう…


そして、案の定、凍った雪面ではシールが効きづらく、

リーダーはクトー(スキーアイゼン)を付け、サブリーダーとワタシはクトーを持っていないため、板を背負ってツボ足で登ることに。

凍っていても、キックステップで慎重にいけば登れるので、一安心です。


ただ、リーダーもサブリーダーもぐんぐん登っていくが(2人とも滑れる人だから)、ワタシにいたっては、登ったところでこのカリッカリをこけずに滑れるのか、登ってもハイマツだらけだったらどうしたらいいんだ、と不安もよぎる。

が、そんな不安と並行して「ここまで来たなら大岳に登頂したい」という欲望も。

その欲望だけで、2人の後を追うように登っていきました。


登っりきるとお釜の縁に到着。その縁沿いに山頂へと向かいます。


山頂は、これでもかと言うほど風が吹いていて、寒いというか、痛い。

それでも、初の青森、初の八甲田。遠征1つ目の山頂はテンションが上がる!

しかも、ナイスな眺望!

今回の遠征で登る予定の岩木山のかっこいい姿に感動〜


している暇もなく、記念写真を撮り、シールを剥がし、早々にドロップポイントに移動しました。

(とにかく寒いので)



本来なら、大岳の東側斜面を滑る予定がカリカリなので、北側の斜面を滑ります。

とはいえ、ここもカリッカリ。それでも東側斜面よりは傾斜が気持ち緩く、ワタシでも滑れる気がする。

滑るたびに感じる板のバタつきはこの際無視して、横滑りで滑り出す。

次第にカリカリ斜面に慣れてきて、ゆっくりターンをして滑る。

加速しそうになると止まって、再度仕切り直し。を繰り返して、1回も転けることなく大岳と井戸岳の間のコルまで滑りきりました。

太ももが張るぐらい力が入ってしまいましたが、ちゃんと滑りきれた自分を褒めてあげたくなりました。(なんか、日々、たくましくなっている気がする。)


そこから大岳の東側をトラバースして大岳ルートに戻ろう、と滑っていくと、

いい雪面発見!!


吹き溜まっていたのか、雪がやわらかい!

2月の八甲田パウダーをしっているメンバーからすると、そんなにふわふわではないらしいが、

上越や奥会津ぐらいしか知らないワタシからすると充分すぎるほどのやわらかさ。

緩斜面を優雅に滑ることができました。


欲を出した我々は、「これなら小岳も気持ちがいいんじゃない?」と、

帰り道に小岳を登ることに。

この発想が甘かった…


麓からみると雪がたんまりありそうに見えた小岳は、実際は木々が生い茂り、

山頂からも気持ちのよいバーンは見当たらない。
(本来はあるみたいだが、私たちは見つけられず…)

よかったことは、大岳の雄大な姿を目の前でみられたこと。


とは言え、いつまでも山頂にいるわけにもいかないので、来た道を滑り、トラバースして仙人岱ヒュッテに向けて西側の斜面を滑走しました。

木の狭い間を慎重に抜けます。アドレナリン出まくり。

カリッカリよりも緊張する。

ジグザグに、スピードが出ないように、木にぶつからないように、転けないように…

(リーダーはザックの紐が枝に引っかかり、めずらしく転倒)


広い斜面に出たときの開放感(心の)がすごかったです。


仙人岱ヒュッテにくると、他のパーティーと遭遇。

今日はこのヒュッテに泊まるのだとか。

確かに、ここを拠点にすれば、いろいろ滑れるからおもしろそう!と思いながら、

ここからは、気持ちよく硫黄岳ルートを滑ります。

今までの緊張から解き放たれたかのように、ぐんぐん滑っていきます。

そして…ちょっと行き過ぎた。

リーダーはうまく谷を越えて滑ったのに、先を滑っていたサブリーダーとワタシは気持ちよすぎて少し谷へ。

すぐ気がついたので、ほんの10mぐらいですが、カニ歩きで谷の上まで歩く羽目に。

なんともはや…


気を取り直して、合流した大岳ルートを通って地獄沼に戻ってきました。

遠征初日、なかなか良いスタートでした。


[メンバー]

3名


[日にち]

2018年3月21日


[行程]

9:50  地獄沼

12:30 大岳

13:05 大岳と小岳のコル

14:05 小岳

14:35 仙人岱ヒュッテ

15:10 地獄沼

その後、酸ヶ湯温泉へ


[共同装備]

ツェルト、ガスヘッド、ガスボンベ、食器(小)


[個人装備]

山スキーセット一式、ビーコン、スコップ、ゾンデ、カラビナ2、スリング2、10mロープ・ヤッケor雨具上下、オーバー手袋、手袋、靴下、予備手袋、予備靴下、サングラスorゴーグル、帽子、目出帽、防寒着、ヘッドランプ、テルモス、地図、ナイフ、笛、トレペ、筆記用具、常備薬、行動食、予備食、非常食、ピッケル、アイゼン、(ヘルメット)、風呂セット

※この日、アイゼンとピッケルは車に置いていきました。







Hi! Mountain

年間を通じて行った山の記録やあれこれを、 徒然なるままに。

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